ユラリスト

スパンコールグッドタイムズワンマン。

 

空間掌握がスゴい。今年は割りと色々なグループのワンマン多く行っているけど、のっけからフロアがユラユラしてるのは初めてかも知れん。一人二人がユラついているならまだ分かるけど、フロアの7.8割がユラついている光景。しかも一曲目がかかった瞬間にユラつく。NICE TIMEだったからとは言え、あっという間にスパンコールの世界に引き込んでみせた。

 

前回の下北沢ワンマンからはまた体制が変わってしまったけど、方向性は変わらず積み上げたものを携える形でリリースイベント期間に突入。今回のリリイベ期間中にもスパンコールにハマるユラリスト(何それ?)も着実に増えているようだし、何と言ってもスパンコールグッドタイムズになってからのいわば総決算となるCD。そこを頂点として今現在地を披露するライブ。

最近のライブを見て思うのは、なおが喋るようになったなーってこと。コロナ期間真っ最中に急遽トークショーになったことも何回かあって、でもその時は小ボケ(深田)・大ボケ(なお)・ツッコミ(りこ)・同意(まひろ)みたいな役割で、何となくりこが回していたイメージがあったんだけど、多分どこかしらのライブでMC NAOのイイオンナキャラがバチっとハマったのかどんどんと前に出てくるようになったし、それがステージ上での無機質さなんかも消してより人間らしさやライブ感なんかも増した気がする。

ファンもそれに乗っかって(たまーにはなるけど)「なんて?」とはならずに盛り上がっちゃう。その下地が日々のライブやリリイベで構築されて熟成されてスパンコールの空間を一緒になって創り上げるファクターとなる。そう考えるとスパンコールが空間を掌握すると同時にファンも空間を創造していて、それは「抱きしめる側」「抱きしめられる側」の体制がきっちりと整っている。フロアがライブを最大限に楽しむ方法が分かっているから、ステージの上も心配することなく全力を出せる。全力で抱きしめてくる。

 


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ワンマンだからトーキョーlast numberのMVだったり新曲『ウィー・アー・ザ。』だったり新たに手にした武器のお披露目もあったし、ここからまた一つ前へ進んだ姿でリリイベが続く。

ILU、と言うか社長の考えに良いと共感出来るのは今回のトーキョーのMVのように既存のものをアップグレード・リニューアルして送り出すところ。元々YOUTUBEにアップされていたカイジューの全力シルエットのMV、今のカイジューと比べるとやはり歌唱の迫力がやや劣る。それはカイジューとして活動を初めて間もない頃に録音されたもの、それは同時にライブの場数も全くと言って無い頃に撮られたであろうものなのでそれは当然なんだけど、カイジューの代名詞でもある全力があの頃より格段に進化している証としてアルバム抹消に再録されている。

例えばグループとして音源を発表しているけど、実は今もうその頃のメンバーはいません。今のメンバーの音源として残っているその曲はステージにしかありません、ってのはまぁ大方普通になっちゃってるんだけど、メンバーは変わらずでも歌い方やグループとして進化しているから改めて「今」を創造し直すと言う作業がファンにとってもありがたい。そうやって今をちょこちょこ塗り替えていると、「あぁ、もっといい音楽に造り直してーなー」って言う作曲側の音源自体に対するこだわりもしれっと紛れ込ませやすくなってスムーズに改変出来るだろうしいい事だらけではあるんじゃなかろうか。

 

それは何と言ってもカイジューもそうだしスパンコールもちゃんと「進化」出来ているからこそ為せること。一年前・二年前とは違う姿がステージにある。いつ見たって変わらずにいてくれるんだけど決して同じじゃない。フロアの熱だって違うのは、その進化し続けているステージに魅了された人々が増え続けているからより熱量が高まっている証拠。

一ヶ月後にリリースされるアルバムで、またさらに勢いをつけることが想像出来るかのようなワンマン。